こんにちは。
やもり昆虫館館長のやもりです。
3月3日~6日、やもりが友人数人と沖縄に行って、虫取りに挑戦してきたことは以前の記事で報告させていただきました。
ところで何度も言うようですが、やもり館長自身は昆虫には全くの素人ですよ。
(当昆虫館で虫に詳しいのは標本提供者で昆虫大好きコレクターの元小学校校長先生、略して「標先生」です。)
今回はその素人のやもりが4日間の、ほぼ初体験とも言っていい虫取り体験でいろいろと失敗しながら、反省・教訓化したことをお話します。
その1.網はめったやたらに振り回さない。
虫が静止したのを十分に見届けてから、網を振ります。
最初のうち、やもりは「あっ、キチョウが飛んでるやないのっ」「あああっ、ツチイナゴがたくさん飛んでるっ」と見るや、大慌てでぶんぶん網を振り回し、その都度、毎回逃げられていました。
飛んでいる状態の虫を捕るのは難しいと学習しました。
(もちろん例外もあります。沖縄の県蝶オオゴマダラは飛び方がゆっくりしているので、飛んでいる状態でも捕れました。もっともその後すぐに逃げられてしまいましたけど💦)
度重なる失敗から、ようやく学んでゲットしたうちの1匹がこちら。
那覇市若狭海浜公園にいたアオスジアゲハです。
この時は飛んでいる間、じっくりと目で追って、花に止まったのを確認、さらに一呼吸してからおもむろに網ですくって捕れました。
その2.網に入ってもすぐに取り出そうとしない。
網に入ったら、じっくりと奥に追い込んで、逃げられる心配がなくなってから取り出します。
(なので、網は奥に追い込めるだけの深さがある、ある程度しっかりしたものでないと難しいです。こればかりは100円ショップにあるようなものだと浅すぎて無理そうです。)
網に入ったばかりの虫はまだ入り口付近でバタバタしています。
その時点ですぐに網の口を上に向けたり、取り出そうとすると、逃げられてしまいます。
やもりは最初のうち、「わーい、捕れたあ」と喜んだのもつかの間、大急ぎで取り出そうとしたせいで逃げられるというのを繰り返していました。
オオゴマダラもこれで逃げられました(泣)
3.旅先で捕った虫を持ち帰って標本にする時は、乾燥に注意
乾燥した状態で展翅・展足しようとすると壊れてしまいます。
旅先で捕った虫は、持ち帰るまでに死んでいることも多いので、標本にする時は乾燥していないか事前にチェックする必要があります。
今回、糸満市具志川城跡で捕ったキチョウ。
東京に持ち帰った時にはすでに死んでいましたが、やもりが自分で展翅してみたところ、激しく失敗。
キチョウは小さいチョウなので、死んだ後すぐに乾燥してしまっていたのが原因だったようですが、後の祭り。
翅がボロボロに。
糸満市摩文仁の丘で捕ったヤマトシジミも失敗。
翅がボロッと取れました。
触角も(泣)
シジミチョウなんて本当に小さいので、標先生の話では、その日のうちに乾いてしまうくらいだそうです。
先生曰く、どちらも沖縄の亜種だったそうで、残念⤵
先生の話では、旅先で捕った虫を標本にする時は、事前に乾燥チェックをして、乾いているようだったら軟化させてから展翅・展足をする必要があるそうです。
あるいは旅先に展翅板等の道具を持参して、現地で展翅・展足をする手もあるそうです。
その他.大型のチョウを取る時の準備
オオゴマダラは今回、取り逃がしましたが、あとで考えたら日本最大級のチョウ。
捕れたとしても普通サイズの三角紙には収まらなかったし、持って行ったタッパーにも入りませんでした。
標先生は、そういう時は特別に大きく作った三角紙を事前に用意していくか、あるいは現地で広告紙などを調達し、それを大きい三角紙の形に折って代用してもいいと言っていました。
広告紙はチョウの鱗粉が取れないようできるだけ紙質がツルツルしたもの、薄くてペラペラ頼りない時は2枚重ねにするといいそうです。
またタッパーの代わりには100円ショップなどで売っているA4サイズのプラスチック書類ケースがいいというのは、当昆虫館のご近所さんのチョウマニアの方のご助言でした。
こちらは展翅成功。
上の写真のアオスジアゲハが帰京後、数日して死んでしまったので、これもやもりが自分で展翅しました。
こちらは乾燥していなかったので、ほぼ合格点。
胴体が下に下がっていたのだけ、後日、標先生が直してくれました。