· 

〔標本教室〕なぜ昆虫標本を作るのか

こんにちは。

やもり昆虫館館長のやもりです。

 

7月23日の標本教室の様子はこちらの記事でご紹介させていただきました。

生徒さんに展足していただいた甲虫は乾燥期間中、昆虫館でお預かり。

〔標本教室〕甲虫の展足は空間把握力

 

約1か月後、乾燥が終わり、お父様と一緒に受け取りに来られました。

 

この日は虫を発泡スチロールから取り外して、箱に納める作業を体験していただきました。

  

 

 

こちらは練習で使ったカナブン。

初めての展足にもかかわらず、満足の仕上がりです。

 

 

 

 

では取り外していただきます。

 

玉針を1本ずつ、そっと、ていねいに抜いていきます。

抜くときに衝撃を与えると、脚や触覚が取れてしまうことがあるので、慎重な作業です。

 

カナブン取り外しクリア

  

 

 

次に本番用のギラファノコギリクワガタ。

こちらもきれいに展足できています。

 

同様に、玉針をていねいに抜いてもらいます。

 

クワガタ取り外しもクリア

 

次に、箱に入れる工程が待っていますが、これが意外と難しいところです。

ここも空間把握力がものを言います。

(やもりはいまだにこれが苦手。)

 

昆虫針を箱底に刺して止めますが、その時、虫の体がどこから見てもまっすぐにならないと、かっこよくない😓です。

 

最初にカナブンから。

 

 

6匹、きれいにまっすぐ入りました。

美しい

 

箱との間の空間、虫同士の位置のバランスも極上です💕

 

 

 

 

標本箱に入れる時には防虫剤、それから昆虫の名前・採集場所・最終年月日などを書いた標本ラベルを付けます。

今回、お父様がカナブンのラベルを作って持参してくださいました。

素晴らしい

 

ラベルはとても重要です。 

これがなければ標本と言えないのです。

いつ・どこに・どんな虫がいたかの記録を残すことが標本作りの意義だからです。

 

標本になってもらった昆虫に対するリスペクト!でもあります。

 

 

 

それでは、クワガタも「まっすぐ」に気を付けながらケースに入れます。

 

こちらはケースがジャストサイズなので、入れるときにあごや脚をぶつけないよう、さらに神経を使います。

 

大成功

 

 

 

 

 

今回の生徒さんは小学校2年生。

夏休みの自由研究にしたいとおっしゃっていました。

 

そこで、標本を作っただけでなく、使用するカナブンをご自身で採集したり、作成過程のレポートも書かれたそうです。

「なぜ昆虫標本を作るのか」についても考察されたそうで、実に素晴らしい

 

立派な研究をされたと思います。

 

「前の記事」  ツマグロヒョウモンの産卵、脚                   

              やもりさんのお子さん、お生まれになられましたよー  「次の記事」